支援者について
さて、支援者もごみのポイ捨てだめですよ。という話を前回しましたが、では支援者って誰?を見てみましょう。
支援者という言葉は定義されています。
定義 支援者
以下に該当する人物を支援者という。
(a) 競技者に物理的または助言的サポートを提供する、または提供することができる人物。コーチ、トレーナー、マネージャー、チーム・スタッフ、医師、医療補助員、またが競技中もしくはその準備のために競技者とともに働いたり、治療したり、援助したりするその他の人物、すべてを含む。
(b) 競技者の親または保護者
大会期間中や競技中だけでなく、準備のために関わった方も支援者となります。
そして、支援者が定義されているには訳があります。支援者に対する規則が存在するからです。
4 規則を受け入れること
4.1(b) 支援者が支援を提供すること、また親や保護者が子供が大会に参加することを認めること、これらは規則を受け入れることに同意したものとする。
4.2 各競技者と艇のオーナーは、彼らの支援者が規則に従うことを、支援者に代わって同意するものとする。
4.3(d) 各競技者と艇のオーナーは、確実の彼らの支援者が規則を認識しているようにすること。
つまり、コーチや監督、チームメンバーはもちろん、親御さん、応援者も、ルールを認識している必要があります。競技者が子供なら、競技者に代わってレースエントリーをする親御さんもいるでしょう。そんな親御さんは、自分はレースに出なくても支援者として規則を受け入れる義務があるということです。4.3(d)は競技者が子供の場合、とても難しいですが、一緒にルール理解に努めるようにしていただきたいです。
その中で、支援者が自覚して守らなければ重要なルールがこちら。
69.1 不正行為を犯さない義務、解決
(a) 競技者、艇のオーナーまたは支援者は、不正行為を犯してはならない。
(b) 不正行為とは、次のいずれかを指す。
(1) グッド・マナーに違反する行為、グッド・スポーツマンシップに違反する行為、非倫理的振る舞いに該当する行為。
(2) セーリング・スポーツの名誉を傷つけた、もしくは傷つけるであろう行為。
ちなみに、支援者による不正行為が発覚すると、支援された方の選手生命を奪ってしまう可能性もあるほどの非常に重いペナルティーを課せられる場合があります。
支援者の不正行為が発覚した場合、どうなるのでしょうか?
規則を紐解いてみます。
60.3 プロテスト委員会は、以下のことができる。
の中に、
60.3(d) 自ら目撃したか、または審問中に取った証言を含む、あらゆる情報源から受け取った情報を基に、支援者が規則に違反したかどうかを検討するための審問を招集する。
※ちなみに、この不正行為についての審問は通常の抗議の審問ではありません。
さて、この発覚した不正行為が立証されて不正だと判定された場合、
69.2(i) 支援者が規則69.1(a)に違反したと、プロテスト委員会が判定した場合は、規則64.5が適用される。
とあります。
これは、支援者自身にペナルティーを課すことができるということです。
64.5 支援者に関する判決
(a) プロテスト委員会は、審問の当事者である支援者が規則60.3(d)または69に違反したと判定した場合、次のことができる。
(1) 警告を与える。
(2) その人物を大会もしくは開催地から排除する、または、権利もしくは特典を剥奪する。
(3) 規則の定めるとおり、プロテスト委員会の権限内でほかの処置を行う。
そして、支援者の不正行為発覚により、艇(競技者)にもペナルティーを課される可能性もあるのです。
64.5(b)プロテスト委員会は、次のいずれかの判定をした場合、支援者の規則60.3(d)または69違反を理由に、艇のある1つのレースにおける得点に、失格またはそれ以下の変更を加えることによって、競技者にもペナルティーを課すことが出来る
(1)支援者の違反の結果、艇が競技上有利になった可能性がある。
(2)審問で艇にペナルティーを課すことがあるとプロテスト委員会が書面で警告した後、支援者がさらなる違反を犯した。
これらの支援者に関連する規則は2017年のルール改正からより明確に記載されるようになりました。
競技が激化していくと、競技者以外に対するルールも明言しなければならないようなことが起こるということでしょう。