Destino-sailing

セーリング競技規則やレース運営を中心に、セーリングライフについて書いています。

基本の基~スターボ!と下!~続き③

図らずも、基本の基が③まで来てしまいました。基本は大事なので仕方ないです・・・。

 

さて、前回までは避ける、避けさせる、避けなければならない、という話でした。(避けなければならない規則は他にもあるので、それは別の回にまとめて復習したいと思います。)

今回は、もちろん避けるんだけど・・・の話です。

以前も紹介した規則14ですが、後述部分も含めると以下となります。

 

14 接触の回避

艇は、常識的に可能な場合には、他艇との接触を回避しなければならない。ただし、航路権艇、または与えられたルームもしくはマークルーム内を帆走している艇は、相手艇が避けていないか、またはルームもしくはマークルームを与えないことが明らかになるまで、接触を回避する行動をとる必要はない。

 

この規則14にはレース中の航路権艇の行動について、重要なことが書かれています。それは、航路権艇はギリギリまで接触を回避する行動をとる必要はないという点です。

?当たり前?はい、当たり前なんですけれど、逆に言うと自分が航路権艇の場合は、接近してくる非航路権艇がいてもビビって先に避けないで。ということです。

  

16.2 更に、風上に向かうビートで、ポートタック艇がスターボードタック艇の風下側を通過するように避けている場合、スターボードタック艇は、ポートタック艇が引き続き避けているために、直ちにコース変更をしなければならない場合には、ベア・アウェイをしてはならない。

 

風上航でポートタックの相手艇はギリギリを狙って後ろを通るかもしれません。だから、スターボ!という主張をすることで、相手が自艇に気付いているか、を確認するわけですが、非航路権艇の相手が気付いていれば、相手が避けるべきで、「全然避けてくれない~」とビビッて避けると衝突してしまう可能性があります。次の回でも書きますが、スターボ!は言わなければならない声掛けではないので、基本的には非航路権艇が気付いて避けるべきです。ポート艇が気付いていないとスターボード艇が思っていたとしても、ポート艇の方は実は気付いていて避けようとしていた場合、スターボード艇が避けたことより衝突が起きると、航路権艇であるスターボード艇が違反になってしまうということもあります。規則16.2は今回の改正で文章が変わっていますが、意図することに変更はありませ。

 

ややこしい文章になってしまいましたが、確かに接触は回避しなければならないけれど、「航路権艇は(そのまま真っ直ぐ進みたければ)、まずは避けない」基本があるということなのです!

ここまでが基本の基でした~。

 

 

※ なお、この16.2が削除される、つまり後ろを通過しようとするポートタック艇に向かってベアウェイしていいというルールもあります。それは付則Cが適用されているマッチレースにおいてです。この場合はスターボード艇がポート艇をチェイスしてOKということになります。付則が適用されるレースについての話はまた別の回に・・・。