Destino-sailing

セーリング競技規則やレース運営を中心に、セーリングライフについて書いています。

スターボ!と下!・・・なんて言う??

ところで、「スターボ!」や、「下!」というスタート時や通常レグの帆走での声かけは、しなければならないものではありません。

基本的にはしなくていいです。

(声かけしなければならない規則については、また別の回で。)

 

でも、主張を伝えたいシーンはあると思います。今回は、自分の主張、なんと言ったら伝わるか?というテーマです。

 

下!と言う時は、風上艇に自分の存在を知らしめて避けて欲しいから、声をかけます。

 

スターボ!と言う時は、ポート艇に自分の存在を知らしめて避けて欲しいから、声をかけます。

 

クロースホールドであれば、自分がこのままスターボードで進みたい時にスターボの声かけを使うと思いますが、相手艇がどういう方法で避けるかわからないです。

通常は下受け(リーバウタック)をされたくないので、後ろを通って欲しいわけですが、声かけしたがためにリーバウタックされるくらいなら、前を通っていいよ!と声をかけることもあるかも知れません。

 

 

さて、国際大会に出ると、共通言語は英語になります。声かけのことをHail(hailing, the hail)といいます。

Starboard!は通じますが、それ以外は普段日本のレースで使っている日本語では(当たり前ですが)通じません。

国際大会を目指している方は、出場を想定して、レース中の主張をすぐに口に出せるように、普段から英語での声かけをすると良いと思います。

(国際大会での審問を想定し、ルールブックについても原文を読むようにしておくことをお勧めします。)

 

ちなみに、RRS2021-2024から、序文に声掛けで使用する言語について記載されました。今までは"Protest"という声かけは「抗議」と言っては無効でしたが、国内レースで全員日本語がわかる場合に限り、「抗議」でも認められるようになりました。

 

声かけ
影響を受けるすべての艇が理解できることが合理的であるという条件のもとで、規則が要求する声かけに英語以外の言語を使用することができる。但し、英語での声かけは常に有効である。

 

つまり、国内レースであっても日本語がわからない海外ゲスト選手/チームがいて、1艇でも日本語がわからない艇がある場合は、99%日本人で構成されるレースでも英語で声かけしましょうということですね。

 

いずれの場合でも、とにかく英語ならOKなので、常に練習しておくことは英語の勉強にもなるし(!)オススメです。

 

そして、スターボ!下!この2つだけ取っても、スターボ!は言えても、「下ってなんて主張すればいいの?」という方もいらっしゃると思います。

 

以下、ご参考まで。

下!(上ってくれ!)

Up! 

ポート艇に前を通って欲しい時は?(そのまま行って!)

Go ahead!

Keep going!

Same tack!

オーバーラップが切れているって何て言えばいい?

No overlap!

マーク回航で「水くれ!」はRoomってわかるけど、「水ないよ~~」って・・・

No room! 

 

見ればわかるし、知ってる単語や言葉だとは思いますが、使う可能性のある方は、改めて口に出して練習しておきましょう。

 

それから、日本人にありがちなのが、「文字で見ればわかるのに、聞こえない(相手が何を言っているのかわからない)問題」です。

自分の主張が出来ても、相手の言うことが分からなければ困ります。

 

例えば、マークラウンディングで怒鳴られると、行っていいってこと?避けろってこと?とニュアンスがわからなくなってしまいます。

ものすごい剣幕で訳がわからない言葉(時には悪い言葉とか!)を英語で外国人に怒鳴られると、自分が間違ってるのかな?と弱気になってしまったりします。

 

私は英語が苦手です。色んなトラブルも経験してます。でも、へこたれずに海外遠征を続けているので、このように国際大会でのレース参加についてのティップスも、書いていきたいと思っています。

英語に関して補足すると、積極的にヨット英語の勉強をしたい方は、YouTube等でオンボードカメラがついているセーリングシーン映像の音声を聞くのはかなり勉強になります。字幕がついている映像だとわかりやすさが増します。用語や言い回しが参考になりますよ!