マークといえばマークルーム
マークルームの定義の再確認です。
マークルーム
艇が求められた側でマークを通過するためのルーム。また、
(a)艇のプロパー・コースがマークに向かって近づくことである場合、マークへ帆走するためのルーム。
(b)マークに接触することなくコースの帆走に必要なマークを回航またはマークを通過するためのルーム。
(後略)
(a)マークに向かう通り道もマークルームということですが、では、艇のプロパー・コースがマークに向かって近づくことではない場合はどんな時でしょうか。
サイドマークで、マークの奥でジャイブをしたかったり、下マークで、滑らかな角度でクロースホールドに入りたかったり、マークに真っ直ぐに向かうだけがプロパー・コースではないです。
その場合のマークへ真っ直ぐ帆走する以外の道のルームは与えられないということです。つまり、マークに向かう道だけは、マークルームとしてもらえますが、それ以上はもらえないということですね。ですから、ゾーンに入るところで頑張って内側に入っても、ものすごく失速してしまう角度の道の分しかルームを与えられないこともあるということなので、ゾーンに入ってからどのようにマークを回りたいか、そのルームをどうやって獲得するかを見極めてゾーンに入っていくべきということですね。
(b)マークに接触しないで回れるルームが与えるべきルームです。ですから、マークルームを与えられる艇がマークに接触し、与えるべき艇にも接触したら、通れなかったことになりますが、逆に言うと接触しないで通れたら、どんなにギリギリでも通れたことになります。つまり、自艇が必要なルームを与えてもらえなかったと抗議をする場合は、本当にルームが与えられなかったという立証(マークと相手艇に接触など)と、場合によってはそれが自分にどのくらいの不利益になったのかの主張がポイントになります。
定義マークルームの後略部分も確認しましょう。
(前略)
ただし、その艇にマークルームを与える必要がある艇の内側かつ風上でオーバーラップしており、かつタックの後にマークをフェッチングすることになる場合を除き、マークルームにはタックするルームは含まない。
ルールブックによく出てくる「〇〇を除き、〜ない」って、分かりづらいですよね。
意図はある筈ですが、割り切ってわかりやすく(なるかな・・・)以下に記します。
まず、基本的に、タックするルームはマークルームには含まれません。
例えば、上マークにスターボード艇の2艇オーバーラップしてゾーンに入ったとします。風上側の艇はマークに入れる位置で、風下艇がギリギリの場合を想定します。風下艇は風下の航路権がありマークルームが与えられる艇なので、風位までは上らせてもよく、マークを通れるのであれば問題ないですが、その風下艇がもはやタックしなければマークに入れない場合には、そのタックするルームを与える必要はないということです。
そして、例外的にタックするルームを与えなければならない場合は、
・アンクロックラウンディングの風上マークで2艇がポートでオーバーラップしてゾーンに入り、内側艇がマークを通過するための最後のタックをする場合は、外側艇は内側艇がタックするルームを与えなければならない。
・クロックラウンディングの風上マークで2艇がスターボードでオーバーラップしてゾーンに入り、内側艇がマークを通過するための最後のタックをする場合は、外側艇は内側艇がタックするルームを与えなければならない。
です。
それから、定義に出てきたワードも確認します。
フェッチング
艇がタックを変更することなく、マークの風上をその定められた側で通過できる位置にいる場合、艇はマークをフェッチングしているという。
フェッチングはプロパー・コースと違って明確です。マークに入れる位置にいれば、フェッチングしています。例えば、上マークでスターボのレイラインを大きくオーバーしてマークに向かって落としている状態もフェッチングです。
マークを回航できる方向にヘディング出来れば、マークをフェッチングしていることになります。