障害物における規則 運営は・・・
今回のルール改正で、障害物における規則に、以下が追加されました。
20.4 声かけの追加要件
(a) 声かけが聞こえないかもしれない状況の場合、艇はタックするためのルームが必要であること、または声かけに応じることを、明確に示す信号もまた発しなければならない。
(b) レース公示では、タックするためのルームが必要であること、または声かけに応じることを艇が示すための代替手段を規定し、艇がその手段を使うよう求めることができる。
そもそも、艇種によっては艇内でも声が届かない場合もあるわけですから、大声で叫んでも他艇に聞こえない状況は容易に想像がつきます。
これは今後、より明確化されていきそうな規則ですね。通信に関するテクノロジーの進化等も想定された文言になっているようです。運営側もよく考えていかなければならない規則が追加されました。
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さて、障害物における規則の話はここまでとなります。
今回の改正で障害物の定義に「境界線」が加わったことや、前述の規則20.4含め、運営側が関与できる危険回避のための設定幅が広がったようです。
艇の性能が向上することで危険が増すケースもある一方、テクノロジーの進化で危険回避することも出来るでしょう。そのバランスで安全なレース運営をすることが運営側に求められていると言えます。
そしてレースに参加する側も、この障害物という部分だけでなく、艇のメンテナンスやセーラー自身の装備等も含め、主体的に安全なレースを作っていく意識を持つことが、色々なレガッタが継続して実施され続けていくことに繋がると思います。ただでさえ人口の少ないセーリング競技。競技のフィールドを少なくとも減らさないためには、一人一人のこういった心の持ちようも大切だと思う次第です。
本回にて第2章までほぼ網羅できたと思います。海上で帆走中におきる艇間で抗議となるケースは、ほぼ第1章~第2章の規則の適用範囲に入っていますので、参考にしていただけると嬉しいです。
ただ、初めの方の回にも書きましたが、本ブログはあくまでもわかりやすくルール理解を促す目的で書いていますので、日本語の表現や内容、またルールの解釈についてはその責を負いません。
実際にルールを適用する場合は、RRS現行の英語版を解釈の礎としてくださいね。
いよいよRRS2021-2024が適用となります。これからも色々なポイントをわかりやすく書いていきたいと思っています!
良い年をお迎えください。