Destino-sailing

セーリング競技規則やレース運営を中心に、セーリングライフについて書いています。

推進方法に関する規則 NGなこと

前回、OK推進方法のことを書きましたので、今回はNGな推進方法をまとめます。

 

42.2 禁止される行動

規則42.1の適用を制限することなしに、次の行動を禁止する。

→逆に言うと、この規則の適用を制限することは可能です。

 

NG規則まとめると言いつつ、更なる例外を先に紹介してしまうのですが、、

 

付則P 規則42に関する特別な手順

P5 O旗とR

P5.1  規則P5が適用される場合

規則P5は、クラス規則が、風速が規程の制限を超えたときにパンピング、ロッキングおよびウーチングを許可している場合に適用される。

→クラススルールで決められたOKとされる場合があるということで、

例えば470はコース全体で平均8knots以上の風域でレース委員会がO旗を掲揚した場合、パンピング・ロッキング・ウーチングOKです。

例えば420は同様にコース全体で平均13knots以上でパンピング・ロッキング・ウーチングOKとなります。

 

さて、取り直して、以下の規則42.2(a)(e)について、まず書いてあることの理解をし、次の回で判定する解釈について確認したいと思います。

 

42.2 禁止される行動

規則42.1の適用を制限することなしに、次の行動を禁止する。

(a) パンピング

次のいずれかにより、セールを繰り返しファンニングすること。

・セールを引き込んで緩めること

・上下や艇の幅方向に身体を動かすこと

→セールをパタパタさせて推進力を得るのはNGです。セールをシートでパタパタさせるだけでなく、艇を揺らすことでパタパタさせることもNGです。

 

(b) ロッキング

次のいずれかにより、艇を繰り返しロールさせること。

 (1) 体を動かすこと

 (2) セールまたはセンターボードを繰り返し調整すること。

 (3) 操舵

→結果パンピングさせることも含め、艇の形状等によっては艇を動かすことで推進力を得られることがありますが、それはNGです。

 

(c) ウーチング

身体を急速に前方へ動かして、急に止まること。

ロッキングは前後左右への繰り返しの動作によって推進力を得ることですが、ウーチングは波に乗る時など、一気に前方に過重することで、止まるというより実際は加速できるために、サーフィングのきっかけを作ったりすることができ、それはNGです。

 

(d) スカリング

次のいずれかのように、舵を繰り返し動かすこと。

・力強く

・艇を前に推進させる

・艇が後進するのを防ぐ

→前に進むために一生懸命漕ぐのはNGです。ただし、前回の例外で紹介した通り、クロースホールドより風上からクロースホールドまではスカルしてOKです。

 

(e) 風の振れまたは戦術上の駆け引きと無関係に、繰り返しタックまたはジャイブすること。

→微軽風のレース等でありがちですが、推進する力を得るためだけにタックやジャイブをし、風を生み出して進むことをNGとしています。

 

上記は規則ですが、選手として、どうしたらパンピングとされるのか、繰り返しのタックやジャイブの判定基準って?を知っておくことは大切ですので、次回は「規則42推進方法の解釈」というルールブック外の文書を紹介したいと思います。