レースの帆走とコースの帆走
さて、前回、「コースの帆走の誤りを直せる時がありますよ」と書きましたので、こちらについても書いておきたいと思います。
Sail the course コースの帆走・・・定義
Sail the race レースの帆走・・・規則28
RRSにはこの二つのワードが出てきます。
???となりますので、整理したいと思います。
ちなみにこの部分は、今回のRRS改正で大幅に整理された箇所です。元々は規則にあった「コースの帆走:糸の原理」が定義に入り、関連ルール・規則が整理されました。
第3章 レースの実施
その前に、規則28は第3章です。
第3章はセーリングレースの基本が書いてあります。セーリングでの出走だけでなく、レース運営に携わる場合も、レース委員会がすべきことについてを含めて書かれていますので、第3章については確認しておきましょう。
話を元に戻します。絡み合っている2つのワードについてです。
28 レースの帆走
28.1 艇はスタートし、コースの帆走をし、フィニッシュしなければならない。その間、艇がいるレグの起点、境界または終点でないマークをどちらの側で通過してもよい。フィニッシュ後は、艇はフィニッシュ・ラインを完全に横切る必要はない。
定義 コースの帆走
艇がコースの帆走を行うとは、プレスタート・サイドからスタートするためにスタート・ラインに近づき始めた時から、フィニッシュするまでの艇の航跡を示す糸をピンと張った場合に、次のようになっていることをいう。
(a) そのレースのコースにある各マークを定められた側および正しい順序で通過。
(b) 帆走指示書で回航マークと定められた各マークに触れること。
(c) ゲート・マークの間を、その前のマークからのコースの方向で通過。
何々?何が違うの??となりますよね。
今回のルール改正の主旨は、「艇がレースを帆走するというのは3つのこと(スタート・コース帆走・フィニッシュ)をするということを明確にした」というわけで、レースの帆走を規則にし、この3つのことを並列に定義に入れることになったという経緯を知ると、整理されます。
レースの帆走=スタート+コースの帆走+フィニッシュ
コースの帆走含め、定義に書かれた3つのことについては、次回以降にもう少し書きたいと思います。
一応、前回違反解消の例外だと書いた「コースの帆走の誤りを正せる場合」だけ紹介しておきます。
28.2 艇はフィニッシュするためにフィニッシュ・ラインを横切っていない場合に限り、コースの帆走の誤りを正すことができる。
第3章規則28.1違反でも、フィニッシュしようとしてフィニッシュ・ラインを切っていなければ、ライン通過後でも正すことが出来るということです。(今まではフィニッシュ・ラインを通過してしまったら正せなかったのです。)
ちょっと微妙なニュアンスですが、いずれにしてもコースの帆走を正しくできなかったことは、フィニッシュ・ラインを通過する前に気付く必要がありそうです。
ちなみに、その場合、航跡を示す糸をピンと張ると、絡まったり結ばったりするかもしれませんが、それは大丈夫です。誤ったところから正して全て回航しなおせば、糸に結び目が出来てしまってもOKです。