メダルレース規則①リコール艇の特定
メダルレースのことをもっと早く書き始めれば良かったです。
メダルレースは通常のRRSに追加されたAddendum(付属文書)にそのやり方が記載されています。正確にはAddendum Q(RRS Appendix MR)という文書です。厄介な文書名ですね。これは近い将来、Appendix MRになるようです。
2020オリンピック時点での付属文書 Q (RRS 付則 MR) (日本語対訳付き版)
通常適用されている規則と異なる点は色々あるのですが、スタートの部分にある特徴的な規則が実際のメダルレースで見られましたので、紹介しておきます。
レーザーラジアルのメダルレースのスタートで、X旗が上がりました。
自分かと思って戻って解消した艇もいましたが、実際にはOCSだった艇はそのままレースを続けていました。
しばらくして、JURYボートがX旗を持ってリコールした艇に近づきホイッスルを吹き、コールされた艇はリタイアしました。
これは以下の規則に因ります。
Q3.3 OCS、UFD または BFD と記録された艇の特定
(a) アンパイアが長音1 声と共に掲揚するX 旗は、「艇はレース委員会によりOCS、UFDまたはBFDと記録された」ことを意味する。アンパイアは当該艇を特定するために、声をかけるか、または信号 を発する。特定された艇は、速やかにコース・エリアを離れなければならない。この信号は、スタート信号から2分後以降いつでも発することができる。
(後略)
通常のレースであれば、基本的にはJURYがリコール艇を排除することは無いですし、そもそもX旗はOCSが解消されなければ原則4分間上げている規則(規則29.1)があります。
このように変則的な規則があるのがメダルレース特有の規則ですが、規則Q3は失格艇が帆走し続けて他艇に不利な影響を与えることを避けるために新設された規則です。