Destino-sailing

セーリング競技規則やレース運営を中心に、セーリングライフについて書いています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

障害物における規則 運営は・・・

今回のルール改正で、障害物における規則に、以下が追加されました。 20.4 声かけの追加要件 (a) 声かけが聞こえないかもしれない状況の場合、艇はタックするためのルームが必要であること、または声かけに応じることを、明確に示す信号もまた発しなければな…

障害物における規則 続き②

さて、障害物でのルームを求める「声かけ」をされたらどうするか、という話です。 相手が「そこは声かけするところじゃないよ~」という声かけをしてきたとしても、声をかけられたら応じなければならないことは前回書きましたので、その続きです。 20.2 応じ…

障害物における規則 続き

続きです。航路権艇は障害物のどちら側を通過するか選ぶことが出来ます。 障害物をベアして避ける時のことを前回書きました。今回は、障害物をタックして避ける場合についてです。 すごく紛らわしいので、注意して読み解きましょう。 20 障害物においてタッ…

障害物における規則

さて、本題に入りますが、少し難しいので、一つずつイメージしながら読み解きます。 19.2 障害物においてルームを与えること (a) 航路権艇は、障害物のどちら側を通過するかを選ぶことが出来る。 風上航でのポートタックで近い位置でオーバーラップしている2…

障害物における規則が適用される時

規則19、障害物においての規則が適用される場合について、前回、中略してしまった部分含めて再掲します。 19 障害物を通過するためのルーム 19.1 規則19が適用される場合 規則19は、障害物における2艇間に適用される。ただし、次のいすれかの場合を除く。 (a…

障害物とは

前回が、「避けていなければならない時」の話でしたが、その中の一つ、規則19は障害物を通過する時のルールです。 こちらは、マークルームの規則と同じく、2章のC節に含まれます。まずは定義から。 定義 障害物 艇がそれに向かって真っすぐに帆走していて、…

避けていなければならない時

今回は、あちこちの規則に散見されるものの一つ、「避けていなければならない」をまとめて紹介します。 1つ目のグループは、基本の基でやったところ。復習です。 A節 航路権 10 反対タックの場合 ポート艇がスターボード艇を避けていなければならない。 11 …

ゾーン内でのタックとジャイブ

一番小難しい規則18の主要部分が終わりました。 が、もう少しだけ補足があるので、ここまでやっつけてしまいましょう。 18.3 ゾーン内で風位を越える場合 ポートに見て通過するマークのゾーン内で、艇がポート・タックからスターボード・タックに風位を越え…

マークルームを与える/もらうこと

やっと本題のマークルームを与える/もらうところです。余計なことは既に取り払っていますので、本題はここだけです。 18.2 マークルームを与えること (a) 艇と艇がオーバーラップしている場合、外側艇は内側艇にマークルームを与えなければならない。ただし…

RRS2021-2024(日本語訳付版)リリース

RRS2021-2024の日本語訳付版が発刊されました! 更新版ルール適用開始まであと1か月位ありますし、 JSAFからはスマホアプリ版も販売しているとのことなので、 今まであまりルールブックを読んでいなかった方を含め、手元に準備しておきましょう!! 今回版…

マークルームを与えない場合

さて規則18が少し複雑なので分かりやすく説明するために、この規則が適用されない場合等、つまりマークルームを与えなくて良い場合についてを、先に挙げておいてしまいます。しかし、その与えなくて良い場合も複雑なので、先に割り切ってまとめてしまいます…

マークルームといえばゾーン

何度も書いていますが、規則18「マークルーム」はマーク周辺に関するルールが記載されています。 マーク周辺とは、ゾーンに入るところあたりから始まります。「あたり」というのは、そこがゾーン内なのか、ゾーン外なのか、という点が絡んでくるケースがある…

マークといえばマークルーム

マークルームの定義の再確認です。 マークルーム 艇が求められた側でマークを通過するためのルーム。また、 (a)艇のプロパー・コースがマークに向かって近づくことである場合、マークへ帆走するためのルーム。 (b)マークに接触することなくコースの帆走に必…

マーク

前回からの流れもあり規則18「マークルーム」について触れていきたいと思います。 その前に航路権の回でも触れたそもそもの話、レース中、マークにおいての大前提の規則がこちらです。 31 マークとの接触 レース中、艇は、次のいずれかのマークと接触しては…

オーバーラップ

前回も出てきた以下の定義。 クリア・アスターンとクリア・アヘッドはわかると思いますが、オーバーラップは簡単そうで実はややこしい。 定義 クリア・アスターンとクリア・アヘッド、オーバーラップ 艇体および正常な位置にある装備が、相手艇の艇体および…

航路権 規則17 続き

小難しい規則17の続きです! さて、規則17のルールが除外される状況についてが規則17の後略部分に書かれています。 (前略)ただし、その風下艇がプロパー・コースより風上を帆走することにより、直ちに相手艇の後方となる場合を除く。(後略) 規則17のケー…

航路権 規則17

今回は「基本の基」でひっかけ問題(以下、再掲)に出てきたルールについて。 E 上マークからサイドマークへ激しく上り合いして帆走していたところ、前を帆走する艇に追いついたので、風下側の2艇身の位置にオーバーラップしたところ、風上艇がかなり風下側…

スターボ!と下!・・・なんて言う??

ところで、「スターボ!」や、「下!」というスタート時や通常レグの帆走での声かけは、しなければならないものではありません。 基本的にはしなくていいです。 (声かけしなければならない規則については、また別の回で。) でも、主張を伝えたいシーンはあ…

基本の基~スターボ!と下!~続き③

図らずも、基本の基が③まで来てしまいました。基本は大事なので仕方ないです・・・。 さて、前回までは避ける、避けさせる、避けなければならない、という話でした。(避けなければならない規則は他にもあるので、それは別の回にまとめて復習したいと思いま…

基本の基~スターボ!と下!~続き②

基本の基のA節航路権には、もう少し続きがあります。 13 タッキング中 艇は、風位を超えた後クロースホールドのコースになるまでは、他艇を避けていなければならない。この間、規則10、11および12は適用されない。2艇が同時にこの規則に従わなければならない…

基本の基~スターボ!と下!~続き

前回の続きです。 復習かねて、クイズと回答を再掲します。 以下A~K、自分が艇団の中盤でマークラウンディングしている中でのケースをイメージして考えてみてください。 ※マークは上・サイド・下マークが風位に対して適正に設置されている。 ※風速8~10knot/…

基本の基~スターボ!と下!~

RRSの基本構成の回でも紹介した超基本のところに入ります! 第2章 艇が出会った場合 A節 航路権 ヨットに乗り始めて、一番初めに教わることは、この航路権かと思います。基本の基。 ディンギーであれば、スロープから艇を浮かべて乗り込んだ瞬間から、このル…

スポーツ倫理

RRSの第1章には、主に倫理的な原則が記載されています。 JSAF主催のルール講習会では、スポーツマンシップについて必ずある程度の時間を割いてレクチャーがありますが、毎改正毎に具体的かつ厳格な規則に変化している背景をがあるからだと思います。 支援者…

支援者について

さて、支援者もごみのポイ捨てだめですよ。という話を前回しましたが、では支援者って誰?を見てみましょう。 支援者という言葉は定義されています。 定義 支援者 以下に該当する人物を支援者という。 (a) 競技者に物理的または助言的サポートを提供する、ま…

RRSの基本原則

RRSの基本原則は以下の2つ。 言わば、「人間性を高くもってセーリング競技に関わりましょう。」です。 基本原則 スポーツマンシップと規則 セーリング・スポーツの競技者は、守り守らせる一連の規則により統制されている。 スポーツマンシップの基本原則は…

RRSの基本構成

ブログをこのテーマで書こう思った理由の一つは、セーリング競技に関わる多くの人に、ルールをもっと理解して参加して欲しいと思っているからです。 接触事故での怪我や、艇の損傷は、悲しいという言葉を超えています。 また、無知により翻弄される選手も、…

自己紹介と、感謝

23才の時、生まれて初めて乗ったヨットは470。 それまで海は怖いところ、近づくな!と山国出身の母に育てられた私が開眼した日でもあります。 縁あって、2人乗りディンギーのテーザーを始めました。 ラッキーにもヨットが上手な方々のクルーを何年も経験させ…

ブログ開設

セーリング競技を始めて20数年。 学連卒でもなく、大人になってから始めて、ただ楽しくレース活動をしたくてやってきました。 とはいえ、クルーザーやディンギーでのインショアのフリートレース経験しかなく、外洋レースや、マッチレースや、チームレースは…