2021-01-01から1年間の記事一覧
今日はルールとは少し離れて、でも少しだけ関連する話です。 突然ですが皆さん、海上でのお手洗いはどのように済ませていますか? 私は女性で、キールボート・ディンギー・運営ボートで海上で一日過ごす経験をしていますが、お手洗い問題は、ヨットを始めた…
オリンピックが終わって、ずいぶんと更新を怠ってしまいましたが、気持ちを入れ替えて書いていきます! さて、今回は抗議の権利の回にも書いた規則60の権利の2つ目、救済要求について確認していきたいと思います。 60.1 艇は次のことができる。 (a)他艇を抗…
いよいよ東京オリンピック2020セーリング最終日です。470女子・男子で日本選手がメダルレースに出場します。 メダルレースはOpening Series(予選レース)の上位10艇が参加できます。レースは一発勝負、得点は低得点方式の2倍のポイントが付きます。予選のス…
メダルレースのことをもっと早く書き始めれば良かったです。 メダルレースは通常のRRSに追加されたAddendum(付属文書)にそのやり方が記載されています。正確にはAddendum Q(RRS Appendix MR)という文書です。厄介な文書名ですね。これは近い将来、Append…
東京オリンピックのレーザーラジアルの予選最終レースで、スタート後、トップのデンマークの選手が泣き崩れていたシーンがありましたね。私はあまり集中して見ていないタイミングで、スタートで規則42違反(スカリング)を取られたところと、その後泣いてい…
権威あるレガッタでは、抗議が多数出るのは当たり前のことです。 今回のオリンピックもいくつも出ていますが、通常の国内のレガッタではレアな抗議が出ていたので、こういうケースが無いとなかなか紹介できない規則について書きたいと思います。 それは、テ…
オリンピックのフィン級の初日、特に第1レースは風の強弱・振れが激しかったですが、第1マークでR旗が掲揚されました。 ぼんやり見ていた私は、ここで初めてフィンもP5適用できるクラスルールなのか~と気付きました。 P5とは、付則Pの規則5のことです。 470…
せっかく毎日オリンピックを観戦しているので、その中からRRSの読み方的なところを何かお伝え出来たらと思い、可能な限りブログ更新をしたいと思います。 今日はRS:X、ウィンドサーフィンについて書きます。 ウィンドサーフィンはセーリング競技の一つです。…
東京オリンピックが始まりました。そして今日からセーリング競技がスタート! リアルタイムで超高性能カメラの映像をライブで見ることが出来るなんて、今回のオリンピックが初めてです。 各艇にリアルタイムライブ配信用のカメラが積んであって、空中からの…
改めて、「抗議をする。(抗議をされる。)」とは具体的にどのような展開になるかについて整理します。 (前提)海上での軽微なインシデント(=乗組員の傷害or/and艇の重大な損傷がない場合)において、規則を守り、守らせる。 相手艇に規則違反があると思…
続きです。サンプルケースを再掲します。 (サンプルケース1) ①自艇Aはスターボードで帆走している。イーブンな位置でポート艇Bがいて、あと5艇身位でミートしそう。B艇はこちらの存在には気付いている。 ②(ミートの約5~4艇身前)ヘッダーが入る。自艇は…
さて、抗議書(審問要求書)を書くことになりました。 ところで、前回からしつこくこの書き方「抗議書(審問要求書)」をしているのは、今回のルール改正で「審問要求書」が出てきたからです。(初めてルールブックを読む方、混乱させてすみません。) RRS20…
続きです。以下のケースで抗議をしてみましょう。 (サンプルケース1) 自艇Aはスターボードで帆走している。イーブンな位置でポート艇Bがいて、あと5艇身位でミートしそう。B艇はこちらの存在には気付いている。 (ミートの約5~4艇身前)ヘッダーが入る。…
色々と小難しいこともあるのですが、とりあえず、「抗議をする。」という話を進めます。 ※小難しいのです。「艇が出会った場合」というレース中の権利関係を記載した第2章が7ページなのに比べ、「抗議、救済、審問、不正行為および上告」という抗議関連を記…
ここまで、海上で選手がセーリングする中で守るべき規則を中心に書いてきました。 ということで、基本原則の「スポーツマンシップと規則」を再掲します。 基本原則 スポーツマンシップと規則 セーリング・スポーツの競技者は、守り守らせる一連の規則により…
20数年前に始めて海に出て以来、ヨットを始めていなかったら出会えなかった人に出会うことが出来、住んでいる・育ってきたところに限らない世代を超えた国内外の友人ができました。セーラーの友人のおかげでよりヨットの世界が広がり、そして友人を介しての…
レース信号旗はRRSの一番初めに見開きのページがあり、視覚信号の上げ下げの時に定められた音響信号を使う規則が記載されています。 旗はただ上げれば良い訳ではないので、特に各旗の音響信号についての短音・長音・回数は、よく確認しましょう。 選手側から…
前回のクイズの回答と解説をしたいと思います。 QUIZ1 下図A艇・B艇それぞれはスタートしたか? ANSWER これはコースの帆走の糸の原理ですね。 A艇はスタートしました。 以前書いたフィニッシュのところ(28.1(b))もそうですが、航跡を示す糸が各マークを…
フィニッシュといえば、順位です。成績です。スコアリングです。今回も運営寄りの内容ですが、最後にまとめクイズもありますよ。 35 レース・タイム・リミットと得点 1艇がスタートし、コースの帆走をして、タイム・リミットがある場合にはそのレースのタイ…
前々回の②コース帆走~レース委員会ができること~で書いた最後の一つ、コース短縮について書いていきます。 まず、コース短縮できる時とは?が、以下。 (再掲) 32 スタート後の短縮または中止 32.1 スタート信号後、レース委員会は以下のいずれかの理由に…
レースの帆走は、スタートして、コースの帆走して、そしてフィニッシュ。 予想以上に回を費やしましたが、やっと、フィニッシュまで辿り着きました~。 さて、フィニッシュとは。 定義 フィニッシュ スタート後、艇体の一部がコース・サイドからフィニッシュ…
さて、今回はコース帆走中にレース委員会が出来ることについてまとめたいと思います。 前回書いた通り、出来ることは以下の4つで、それぞれの条件も書いておきます。 コースの短縮:32.1(a)(b)(c)(d)に該当する場合+予定されたその他のレースを実施するため…
今回は、「レースの帆走」を構成する以下の3つの部分の内、「コースの帆走」についての話です。 レースの帆走=スタート+コースの帆走+フィニッシュ (再掲) 定義 コースの帆走 艇がコースの帆走を行うとは、プレスタート・サイドからスタートするために…
なんだか酷いタイトルですね・・・(笑) 後編は、 30.1 I旗規則 30.2 Z旗規則 30.3 U旗規則 30.4 黒色旗規則 について、整理したいと思います。 I旗規則とそれ以外の大きな違いは、いてはいけない場所の範囲です。 前回も書いた通り、上図の通り、I旗規則は…
リコールとスタートペナルティーも言わずもがななルールですが、大事なところですので確認しておきます。 29 リコール リコールには2種類あります。 29.1 個別リコール 29.2 ゼネラル・リコール 30 スタートのペナルティー スタートのペナルティーは4つあ…
前回記載の通り、RRSでは レースの帆走=スタート+コースの帆走+フィニッシュ と整理されています。 「大会への参加」はまた違うカテゴリーになりますが、レースの帆走については、第3章にまとまっています。 レース運営に携わる際、この部分は基本的かつ…
さて、前回、「コースの帆走の誤りを直せる時がありますよ」と書きましたので、こちらについても書いておきたいと思います。 Sail the course コースの帆走・・・定義 Sail the race レースの帆走・・・規則28 RRSにはこの二つのワードが出てきます。 ???…
前回紹介したように、第2章違反はペナルティー履行によって解消が出来ますが、それ以外のルールでは、ペナルティー履行では違反を解消できません。つまり、第2章(艇が出会った場合)以外の違反が判定された場合は、基本的には失格となります。これらは、言…
さて、今までの回で紹介してきた規則のほとんどは、違反した場合、海上でそのペナルティーを履行できるものです。 ということで、今回はペナルティーの履行について、まとめたいと思います。 前提は、こちら。基本原則を再掲しておきます。 基本原則 スポー…
今回は、 規則42 推進方法 付則P 規則42に関する特別な手順 についてです。付則Pが適用されるレースに出る場合は、よくよく確認しておきましょう! 簡単に言うと、推進方法については規則42の通りシーマンシップに基づいて行動しなければならないですが、付…