レース信号旗
レース信号旗はRRSの一番初めに見開きのページがあり、視覚信号の上げ下げの時に定められた音響信号を使う規則が記載されています。
旗はただ上げれば良い訳ではないので、特に各旗の音響信号についての短音・長音・回数は、よく確認しましょう。
選手側からすると、旗を視認することが基本です。
26 レースのスタート
(前略)音響信号の不発は、無視されなければならない。(後略)
基本的な信号旗は覚えるか、艇に国際信号旗のシールを貼る等して、意味をすぐに理解できるようにしておきましょう。
数字旗はなかなか全部は覚えられないです。私は自宅にこのようなものを飾っていますが、数字旗は1~3しか覚えていません・・・。
余談ですが、気合の入った試合では、ネイルをセール番号にしたりしていた頃もありました。
さて、今回のルール改正で、追加されたレース信号旗が3つあります。
特に運営艇や支援艇で活動される方は、確認しましょう。
①オレンジ旗:この旗を掲げたポールは、スタート・ラインの一端である。
②青色旗:この旗を掲げたポールは、フィニッシュ・ラインの一端である。
(青色は以前からもあったのですが、「青色旗またはシェイプ」だったのが、「旗」になりました。)
上記二つは「レースの帆走>①スタート」の回にも記載しています。今までの運営の運用から変更となる運営チームもあるかもしれませんので、要注意です。
③V旗:安全指示のための通信チャンネルを聴取すること。(規則37参照)
37 捜索と救助の指示
レース委員会が音響信号1声とともに、V旗を掲揚した場合、すべての艇、運営艇、支援艇は、可能な場合には、捜索と救助の指示を受けるためにレース委員会の通信チャンネルを聴取しなければならない。
今までは、海上でレース中に何か事故が起こっていても、それを他艇が知る術が無かったと思います。このV旗のルール化により、運営側が周囲に対して喚起をすることが出来るようになりました。
無線を持っている艇に乗る場合は、V旗があがったら、他人事と無視してはだめというだけでなく、無線を聴取するという能動的な行動を起こさなければならないということです。無線を持っていなかった場合も、捜索と救助の要請には、可能な限り応じてください。
上記は、「第1章基本規則 規則1」を、全員が遵守し、また円滑に捜索・救助が行われるように動くことを規則にしている内容ということですね。
1 安全
1.1 危険な状態にあるものを助けること
艇、競技者、または支援者は、危険な状態にある人員または船舶に対して、可能な限りのあらゆる救助をしなければならない。
また、安全に関してのレース信号としては、使われることが少なくて見たことがない方もいるかもしれないので、Y旗も紹介しておきます。
Y旗:個人用浮揚用具を着用せよ。(規則40参照)
40 個人用浮揚用具
40.1 原則
規則40.2により規則40.1が適用された場合、各競技者は衣服または個人装備を一時的に替えたり整えたりする間を除き、個人用浮揚用具を着用していなければならない。ウェット・スーツとドライ・スーツは個人用浮揚用具ではない。
40.2 規則40.1が適用される場合
規則40.1は以下の場合に適用される。
(a) 予告信号前または同時にY旗が音響1声と共に水上で掲揚された場合には、そのレース中
(b) Y旗が音響1声と共に陸上で掲揚された場合には、その日の水上にいる間は常時
ただし、規則40.1は、レース公示または帆走指示書に記載された場合、適用される。
日本では、国土交通省の省令改正により、2018年2月から小型船舶の同乗者全員のライフジャケット(桜マーク付き)着用の義務化が適用されました。
https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html
従って、日本国内で活動される方は、通常はY旗に関係なく海上ではライフジャケットを着用していると思います。
海外のレースに出て、突然Y旗が揚がって意味が分からない~となるかもしれませんが、いつもと同じにしていれば大丈夫です。
なお、国土交通省令に規定されているライフジャケット「桜マーク付き」については、例外措置があります。
https://www.jsaf.or.jp/fukyuu/2020/04g.lifejacket%20gimuka.pdf
レース信号の話と違う方に行ってしまいましたが、ライフジャケットについて2018年当時からJSAFをはじめ、各クラブ・マリーナや供給側を含めてルール徹底に奔走いただいたおかげで、現在はそんなに混乱がない運用になっているかと思います。
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というところで、今回までで、選手が海上で遭遇するルールの基本的なところは紹介できたと思います。
「ここをもう少し詳しく。」等があれば、その回のところにコメントいただけると嬉しいです。