レースの帆走>③フィニッシュ~コース短縮~
前々回の②コース帆走~レース委員会ができること~で書いた最後の一つ、コース短縮について書いていきます。
まず、コース短縮できる時とは?が、以下。
(再掲)
32 スタート後の短縮または中止
32.1 スタート信号後、レース委員会は以下のいずれかの理由により、その状況に応じて、コースを短縮する、またはレースを中止することができる。
(a) 悪天候。
(b) どの艇もタイム・リミット内にフィニッシュできそうもない不十分な風。
(c) マークが紛失している、または所定の位置にないこと。
(d) 競技の安全または公正に直接影響するその他の理由。
加えて、レース委員会は予定されたその他のレースを実施するためにコースを短縮することができる。(後略)
コース短縮で多いケースは(b)でしょうか。
手順は、
コースの短縮:S(Shortening)旗と共に、反復音響信号を発する
ですが、ラインについては決まりがあります。
32.2 レース委員会が、コース短縮に信号を発する場合には、フィニッシュ・ラインは、以下のいずれかでなければならない。
(a) 回航マークにおいては、その回航マークとS旗を掲げたポールとの間。
(b) コース上、艇が横切らなければならないと定められているライン。
(c) ゲートにおいては、ゲート・マークの間。
コース短縮は、最初の艇がフィニッシュ・ラインを横切る前に信号を発しなければならない。
書いてある通りのことなのですが、コース変更と併用されることもあります。その場合は、前のマークでC旗+音響信号で変更を示して、フィニッシュラインを作ってS旗+音響信号でフィニッシュという忙しいこともありますので、慣れていない運営チームの場合には、実施の前にチームメンバーとやり方を確認して出来ることを確認してからの決断にしましょう。
短縮以外も含めて、レース運営することで一番考えなければならないのは、安全第一はもちろんですが、やっぱり、選手ファーストかどうか、その判断が公平公正かどうか。
レース運営はどんなに想定しても想定外の突発的なことが起きてしまうことがあります。RRS片手に運営することもあれば、運営どころかレスキューに走り回ることもあります。なかなか表舞台には出てこない運営チームですが、運営なくしてレースは成立しません。私も選手として各地でレースに参加させていただいていて、各地の素晴らしい運営によって楽しいセーリングライフが送れていることを本当に感謝しています。
それでも、選手ファーストなのが競技です。
私も時には運営する側の一員として参加します。運営チームもレベルアップして選手の活躍に貢献したいと思っています。