レースの帆走>③フィニッシュ
レースの帆走は、スタートして、コースの帆走して、そしてフィニッシュ。
予想以上に回を費やしましたが、やっと、フィニッシュまで辿り着きました~。
さて、フィニッシュとは。
定義 フィニッシュ
スタート後、艇体の一部がコース・サイドからフィニッシュ・ラインを横切るとき、艇はフィニッシュするという。(後略)
つまり、ちゃんとスタートしてコースの帆走してフィニッシュラインを切れば、フィニッシュです。簡単ですね。
ちなみに、日本語で「横切る」、英語では「cross」という言葉が使われていますが、ライン上で一瞬でもクロスすれば、通り過ぎなくても大丈夫です。
(再掲)
28 レースの帆走
28.1 (前略)フィニッシュ後は、艇はフィニッシュ・ラインを完全に横切る必要はない。
ちなみに、以前の回にも書きましたが、スタートと同様にフィニッシュでも今回のルール改正で変更がありました。
横切るべき部分が「艇体、乗員、装備の一部」の横切ることだったのが、「艇体(Hull)」になったので、スピンのある艇でダウンウィンドフィニッシュの際にスピンを飛ばして一秒でもフィニッシュ時間を稼ごうとしていた方は、今後はその行為は無意味になりますよ。
定義 フィニッシュ の続きです。
(前略)ただし、フィニッシュ・ラインを横切った後に、次のいずれかを行う場合には、艇はフィニッシュしていない。
(a) 規則44.2に基づきペナルティーを履行する場合。
(b) フィニッシュ・ラインで行った、コースの帆走に関する誤りを正す場合。
(c) コースの帆走を続ける場合。
はい、(a)(b)(c)は例外ということです。
まず、(a)について。
44.2 1回転と2回転ペナルティー
(前略)
艇はフィニッシュ・ラインまたはその近くでペナルティーを履行する場合、フィニッシュする前にその艇の艇体が完全にフィニッシュ・ラインのコースサイドになければならない。
例えばフィニッシュ・マークにマークタッチしてしまって1回転ペナルティーを履行する場合や、フィニッシュ争いで非航路権艇なのに航路権艇に突っ込んでしまって抗議されて2回転ペナルティーを履行する場合等、フィニッシュのところでの回転ペナルティーをどうするかということです。
回転ペナルティーの履行のタイミングは、
44.2 (前略)インシデントの後できるだけ早く他艇から十分離れた後、(後略)
となっていますので、状況によってはフィニッシュラインを切ってからペナルティー履行することもあり得ます。
その場合は、フィニッシュラインを横切った後でもペナルティー履行をすることができ、またその場合はペナルティー履行後に再度フィニッシュラインを切らなければフィニッシュしたことになりません。その際、艇の一部だけでなく艇の全体がコースサイドに戻ってから、再度フィニッシュラインを横切る必要があります。
次、(b)について。
RRSクイズによく出てくる図の構図をお借りします。
クイズでは「レース艇はこの図のどこでフィニッシュしたか?」という問題ですが、フィニッシュラインに向かっていても、潮の流れでなかなか入れず、なんとか頑張ってフィニッシュするというものです。クイズの解説としてはフィニッシュ1はラインを逆から横切っているのでNGで、フィニッシュ2のところはそれをやり直そうとしているところで、やり直して回ってフィニッシュしたのが3の位置ということになりますが、この1~3が(b)に該当するところですね。
最後に、(c)について。
これには2パターンあると思います。
1つ目は、コース設定上、フィニッシュ・ラインがコース上に設定してある場合。
こういう場合はSIでフィニッシュ時以外はフィニッシュラインを通らないように指示している場合もありますが、物理的に通れてしまいますので、フィニッシュ・ラインを横切る可能性が発生しますが、コースの帆走を続けるのであればフィニッシュにならないという話です。
2つ目は、フィニッシュした後にコースの誤りを正す場合です。
28.2 艇は、フィニッシュするためにフィニッシュ・ラインを横切っていない場合に限り、コースの帆走の誤りを正すことができる。
フィニッシュするために横切らなかったことをどのように立証するか?はおいておいて、フィニッシュ・ラインを切った後にコースの誤りを直して再度フィニッシュ・ラインを切ることでフィニッシュとなり得るということです。
(但し、もちろん時間の制限がある場合は、その制限内でやり直せないとDNFとなってしまいます。)
なお、フィニッシュは横切る(cross)ところでフィニッシュと前述しましたが、その後にフィニッシュ・ラインから離れなければなりません。
定義 レース中
艇がその準備信号から、フィニッシュしてフィニッシュ・ラインとフィニッシュ・マークを離れるまで、もしくはリタイアするまで、またはレース委員会がゼネラル・リコール、延期、もしくは中止の信号を発するまで、その艇はレース中であるという。
フィニッシュした後に潮で流されてマークタッチをした場合は、規則31違反となりますので気を付けましょう。
(再掲)
31 マークとの接触
レース中、艇は、次のいずれかのマークと接触してはならない。
・スタート前のスタート・マーク
・帆走中のコースのレグの起点、境界または終点となるマーク
・フィニッシュした後のフィニッシュ・マーク ←ここ!フィニッシュ後の1回転ペナルティー履行もありえます。その場合は、再度フィニッシュすること。