Destino-sailing

セーリング競技規則やレース運営を中心に、セーリングライフについて書いています。

O旗とR旗

オリンピックのフィン級の初日、特に第1レースは風の強弱・振れが激しかったですが、第1マークでR旗が掲揚されました。

ぼんやり見ていた私は、ここで初めてフィンもP5適用できるクラスルールなのか~と気付きました。

P5とは、付則Pの規則5のことです。

470420に乗っている方は知っていると思いますが、今回はO旗・R旗について書きたいと思います。

 

付則P 規則42(推進方法)に関する特別な手順

 

P5 O旗とR

P5.1 規則P5が適用される場合

規則P5は、クラス規則が、風速が規定の制限を超えたときにパンピング、ロッキング、ウーチングを許可している場合に適用される。

 

付則Pと推進方法の解釈の回で書いた通り、推進力を増すためのパンピング、ロッキング、ウーチングはNGです。付則Pが適用されるレースでは、オン・ザ・ウォーターでの規則42違反のジャッジが行われます。

が、クラス規則で一定以上の風速がある場合はむしろやってOKとなるという規則がP5です。

簡単に言うと、O旗があがっていたらOKR旗があがっていたらNGです。

 

P5.2 スタート信号前

(a) レース委員会は、予告信号前または同時にO旗を掲揚することにより、クラス規則に規定されたとおりにパンピング、ロッキングおよびウーチングを許可するとの信号を発することができる。

 

P5.3 スタート信号後

スタート信号後、

(b) O旗が掲揚された後、風速が規定された制限以下になった場合には、レース委員会はマークにて反復音響信号とともにR旗を掲揚することにより、マークを通過した後クラス規則で変更されたとおりに規則42が適用される、との信号を発することができる。 

 

フィンの第1レースでは、上記の通り、スタート信号前に一定以上の風速があってO旗が掲揚されていてパンピング・ロッキング・ウーチングがOKだったのが、風が落ちたので第1マークでR旗があがってNGになったということです。

 

P5が適用されないクラスの艇に乗っていると、なかなか知ることが出来ないかもしれませんが、オリンピッククラスでは470(コース全体に明らかに平均8knots以上の風がある場合、P5適用)、フィン(クロースホールドより風上航を除き、10knots以上でのP5適用を推奨)が該当クラスとなります。

 

ちなみに、RS:Xは前回紹介した付則BB4でパンピングとファンニングが許されています。スタートで一斉にファンニングするのはウィンドサーフィンのレースのイメージにもあると思います。

 

ナクラ17は風上へのビート以外でフォイリングするためであれば、(どんな風域であっても、つまりP5関係無しに)何度でもパンピングしてOKというクラスルールになっています。

 

レーザー/レーザーラジアルと49er/49erFXは、P5が適用されないクラスです。