マーク
前回からの流れもあり規則18「マークルーム」について触れていきたいと思います。
その前に航路権の回でも触れたそもそもの話、レース中、マークにおいての大前提の規則がこちらです。
31 マークとの接触
レース中、艇は、次のいずれかのマークと接触してはならない。
・スタート前のスタート・マーク
・帆走中のコースのレグの起点、境界または終点となるマーク
・フィニッシュした後のフィニッシュ・マーク
ペナルティー履行については、また別の回でもまとめて書きたいと思っていますが、マークタッチのペナルティーについて、触れておきます。
44 インシデント時のペナルティー
44.1 ペナルティーの履行
(前略)規則31に違反したかもしれない艇は『1回転ペナルティー』を履行することが出来る。(後略)
マークとの接触の場合のみ、1回転ペナルティーです。(それ以外は2回転ペナルティー、もしくはリタイアもできます)
さて、マークの定義についても確認します。
マーク
帆走指示書において、艇の定められた側で通過するように求められている物体、そこからスタート・ラインまたはフィニッシュ・ラインが伸びている航行可能な水面に囲まれているレース委員会船、および、物体や船に意図的に取り付けられたものをマークという。ただし、アンカー・ラインは、マークの一部ではない。
スタートの本部船にラインにつけたフェンダーやブイを浮かせていることがありますが、これはスタート・マークである船に意図的に取り付けられたものなので、マークの一部であり、そこに接触したらマークタッチになります。
運営側からすると、本部船に直接激突されるケースを避けるために、明らかにマークの一部であるものをつけておけば少しは安心という感じです。
ちなみに、規則18「マークルーム」はC節の規則なのですが、C節の序文にこれらの規則の適用範囲が書いてあります。
C節 マーク及び障害物において
C節の規則は、航行可能な水面に囲まれたスタート・マークまたはそのアンカー・ラインにおいて、艇がスタートするためにそれらに近づいている時点から通過し終わるまで適用されない。
つまり、スタート・マークはスタート・シークエンス中はただのマークであってマークルーム/ゾーンは無く、マークルームの要求は出来ないということです。普通のスタートを想像すれば、簡単に分かります。
そして、つまり、フィニッシュ・マークにはマークルーム/ゾーンが存在するということです!
さて。ここで先に、規則18マーク周りのルールの基本を超~簡単に言っておきます。それは、「オーバーラップしてゾーンに入ったら、内側(マーク側)の艇がマークを通るルーム=マークルームをもらえる。」です。
このことは、以下の規則・定義から確認できます。
18 マークルーム
18.1 規則18が適用される場合
規則18は、マークを艇の同一の側で通過することが求められている複数の艇間で、少なくともそのうちの1艇がゾーンに入っている場合に、その中の艇と艇との間に適用される。(後略)
→複数艇の内、1艇がゾーンに入っている時の話で、
18.2 マークルームを与えること
(a) 艇と艇がオーバーラップしている場合、外側艇は内側艇にマークルームを与えなければならない。(後略)
→かつその艇間がオーバーラップしている時、外側艇は内側艇に、
マークルーム
艇が求められた側でマークを通過するためのルーム。また、
(a)艇のプロパー・コースがマークに向かって近づくことである場合、マークへ帆走するためのルーム。
(b)マークに接触することなくコースの帆走に必要なマーク回航またはマークを通過するためのルーム。
(後略)
→マークへ帆走し、かつマークを回航できるルームを与えなければならない。
のです。
もちろん、これはあくまでも基本。各規則/定義に(後略)がありますので、つまり「ただし・・・」が、あるということなので、この回だけを鵜呑みにせず、次回以降の回も合わせて参考にするようにしてくださいね。
さて、マークといえばマークルーム、マークルームといえばゾーン・・・